3Dプリンターで出力したアダプターで、135フィルムを中盤カメラで使う
3Dプリンターの恩恵
フィルムカメラ界において一般的な135フィルムを、中盤カメラで使うブローニー(120・220)サイズに変換するアダプターを作りました。個人所有ではなく、業務用の3Dプリンターを使わせてもらい出力しました。
これで高価なブローニーフィルムだけでなく、安価かつ現像も容易な135フィルムを使えることになります。
ブローニーの苦労
私は、かつて存在したZENOBIA(第一光学)が販売していたZENOBIA C1という蛇腹カメラを所有しています。自分にとって初のフィルムカメラとして、いきなり中盤カメラを手に取ってしまったのは半年ほど前のことです。スプリングカメラのフォルムに惹かれ、ほぼ一目惚れでした。
time goes by被写体・zenobia CⅠ (made 1952)pentax k-70 ×auto-takmar 55mm f1.8(made:1961
もともとPENTAXのデジタル一眼レフカメラ(旧:K-10D,K-5 現:K-70)を所有していて、フィルムカメラへの興味はあったものの、敷居が高いように感じていました。そんな時に写真を専門とする友人にフィルムカメラ屋に連れて行ってもらい、このカメラに出会いました。
APSCフォーマットとは比べ物にならない立体感や、完全マニュアルのフィルムカメラで大切に撮るという楽しさを満喫していました。
ただ唯一の欠点として、ブローニーフィルムの扱いづらさというのはどうにも気になるモノでした。135であれば当日出してくれるお店もあるところ、ブローニーフィルムであれば1週間、注文方法や時期によっては1か月近くなることもあります。
とはいえ、新たに135フィルム機を買う気持ちにもなれず、今回のアダプターを使おうという発想に落ち着いたわけです。
使用感・問題点
このように、アダプターがぴったりとフィットして、120のパトローネと同じサイズになっています。中盤カメラへの装着もばっちりです。
とはいえすべて完璧というわけにはいかず、いくつか問題点もあります。
- どこまで送っていいかわからない
- 巻き戻しができない
という地味な問題点があります、前者は「一回転とちょっと」のように感覚で行っているせいで、かなりフィルムを無駄にしています。撮影枚数ごとにフィルムがまかれて、巻き取る距離が大きくなるので、「何枚目をとっているときは何回転」というような指標を作る必要がありそうです。
後者は中盤カメラの性質上仕方ありません。ブローニーフィルムは遮光紙がセットになっている為、巻き戻さなくてもそのまま取り出せますから。ということで、アダプターを用いる際は最後まで撮影した後、暗室やダークバッグ内で巻き戻す必要があります。
楽しみ方
課題を解決できて満足感があると共に、「中盤カメラの意味ないよなぁ」と当然の事を思ったりします。ブローニーフィルムを入れて取りたいと思う旅行時などを除き、135仕様にしてもいいかなと思ったりしています。135でも普段のAPSCより大きいですしね。
現像結果が楽しみです。
引用元
今回出力させていただいたデータは以下のURLで公開されていたものになります。ありがとうございました。
https://www.youmagine.com/designs/35mm-film-on-120-spool#!design-embed